2025/12/27
タナカ SIG P229 357SIG Two-Tone Evolution 2 オールHW

スライドシルバー、フレームブラックの2トーンは1990年代にごく一部で広まったトレンドだ。SIG SAUERの220シリーズはその中心に位置したハイエンドモデルであったといえる。特にレガシースライドのP229は目立つ存在だった。
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セミオートマチックピストルに、ブラックとシルバーの2トーン仕上げのモデルが登場したのは1970年代の事だと思われる。1911をベースに、より実戦に対応できるよう改造を加えていく過程で、フレームのフロントストラップ部にスティップル加工、またはチェッカリング加工を加えていき、再仕上げの際にブルーイングではなく、ニッケル、またはクロームメッキを施したことがおそらく最初だろう。当時、そのような1911を“Combat Custom”と称した。
1911の戦闘能力を最大限に引き出そうとする場合、徹底的にPractice(練習)を繰り返すことが必要で、そうなると毎月数千発を撃ち込むことも珍しくない。グリップを握る時間が長くなり、時に汗ばんだ手で握ることもある。毎回オイルで表面をケアしていれば大丈夫かもしれないが、スティップル加工した部分にまでオイルが行き渡らない場合もある。それを繰り返せば、スチールフレームに錆が浮くこともあるだろう。それを避けるもっとも簡単な方法がメッキ処理だ。
スライドカバーにもメッキすることもあったが、光の反射を避けるために銃の上面は黒い方が好まれた。かくしてブラックスライド、フレームシルバーの2トーン仕上げが生まれ、70年代半ばには、それが実戦的なカスタムモデルの一般的なスタイルとなった。
だいぶ後のことだが、そのトレンドはカスタムモデルに留まらず、一部の量産モデルにも波及していく。
2トーン=カスタムガン、というイメージが流行すると、アルミフレームの銃に対しても、フレーム部分の黒染めを敢えておこなわない、あるいはアルマイト加工を剥がすといったことも始まった。
スライドとフレームが同じ色ではない仕上げが、おかしなことではない、むしろ魅力的だという認識が生まれた結果、今度はスライドシルバー、フレームブラックというモデルが生まれてくる。その登場は意外と早く、自分が知る限り、もっとも古い製品は1978年発売のFTL Marketing 22 Auto Nineピストルだ。22LRのマウスガン(ヴェストポケットピストル)で、ハードクロームフィニッシュのスライドとブラックのアルミフレームが組み合わさっている。サイトまでシルバーなので、スライドに強い光が当たると狙いにくいと思うが、マウスガンなので、狙って撃つものではない。それよりハードクロームメッキによる手入れの容易さを重視したように思える。但し、この構成のセミオートピストルは当時、ほとんど普及することはなかった。
シルバースライド、フレームブラックのセミオートピストルが大手メーカーから大々的に売り出されたのは1990年のことだ。1986年に登場したルガーのポリマーフレームピストルP89に、ステンレススライドが登場、黒いポリマーフレームとの組み合わせで1990年から販売が開始された。おそらくこれが大手メーカーによるスライドシルバー、フレームブラックという製品の走りだろう。
1993年に販売が開始されたHK USPにも、その後にステンレススライドモデルが加わった。フレームはポリマーなので当然黒い。
SIGARMSは1980年代後半から、ペンシルベニア州のKlein Plating Worksで無電解ニッケルフィニッシュに加工したP225、P226オールシルバーの販売を開始している。1989年からはそれにP228が加わったことは8月号の記事でお伝えした通りだ。
そのバリエーションとして、ニッケルフィニッシュスライドモデルがTwo Tone Finish仕様としてカタログに載ったのはだいぶ後になってからだ。ルガーが露払いするような形で、スライドシルバー、フレームブラック仕上げが一般化したことがその背景にあったのだろう。たとえスライドがシルバーでも、それは艶消しであり、前後のサイトがブラック仕上げなら狙いにくいことは全くない。
タナカはP229のツートーンモデルを発売する。まさかウォームシルバーコーティングモデルに続いて、ツートーンモデルが発売されるとは思わなかったので、1月号でSIGARMSの1996年カタログを掲載したが、あのような形でP229のツートーンが販売されていたわけだ。
1992年に登場したP229はステンレススライドなので、無電解ニッケルフィニッシュは必要ないと思うのだが、SIGARMSは他のプレス加工スライドモデルと同様の仕上げをP229にもおこなっていた。1994年から加わった357SIG仕様も同様だ。
好みの問題ではあるが、スライドシルバー、フレームブラックはトイガンでは珍しいし、P229の場合、このレガシースライドがデザイン的にもメリハリが効いて、とても新鮮だ。
このシルバースライドはHW材にセラコートフィニッシュしたもので、重量感と高い耐久性を誇る。さらに明るさを抑えた落ち着きのある色調に仕上げることで、実銃P229 Two-Toneの雰囲気を高いレベルで再現したものだ。モデルガンとしての強度も高く、安心して発火を楽しめる。さらに357 SIGカートリッジを使う独特な魅力も加わり、SIG SAUERファンならぜひ手に入れたい一挺だといえるだろう。

タナカ
SIG P229 .357SIG ツートーン エボリューション2 オールHW
全長:178mm
重量:690g(カートリッジ別)
装弾数:10発
主要材質:HW樹脂+亜鉛ダイキャスト
仕様:5mmキャップ火薬使用発火式モデルガン
付属品:357 SIG Evolution 2 快音カートリッジ5発付属
価格:\47,080 (税込)
発売時期:1月中旬予定(少数生産品)
お問い合わせ先:タナカ
http://www.tanaka-works.com/
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