【注意喚起】いま巷で話題のあの海外製トイガンはいったい何がマズいのか? トイガン専門誌が徹底解説!!

 

ポチる前に気を付けて!
そのトイガン、銃刀法に抵触していませんか?

 

参考までに、こちらは実銃のS&W製リボルバー。サイドプレートが外され、内部メカニズムが見える(Photo:Toshi)

 

 日本は世界的に見ても銃規制が厳しいと言われているが、そんな中でもエアガン(エアソフトガン)やモデルガンなど、独特で豊かなトイガン(がん具銃)文化が育まれ、今やこれが世界に広がっている。
 本来、銃器(実銃)とは殺傷能力を持つ武器であり、犯罪で使われることを未然に防ぐために銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)がある。そして、日本で正規に販売されるトイガン(国産品)については、この銃刀法が規定する「実銃」に該当しない(威力、構造、材質など)よう各トイガン業界団体の銃刀法よりも厳しい自主規制が守られて、認可されたものが販売を許されている。また正規のルートで輸入された海外製トイガンも、銃刀法に抵触しない範囲内で輸入販売されている。
 しかし、近年ネットショップが隆盛を極める中で、そこで販売される海外製品の中に、銃刀法に抵触する可能性があるのではないか、というものが散見されるようになってきているのだ。

 

構造の危険性が指摘されたトイガンの一例

 

構造の危険性が指摘されたリボルバータイプのトイガンの断面図。フレームとバレルは樹脂製ながら、シリンダーは金属製で、シリンダーとバレルは貫通。そして、ハンマーがカートリッジ後端を叩く実銃同様の構造となっているのが分かる


 こちらのリボルバーは、そんなネットショップで販売されていた製品の断面を分かりやすくイラスト化したものだ。ぱっと商品概要を見る限りでは、カートリッジ内部の小さなスプリングの力でプラの弾を撃ち出すという、子供向けの安全なトイガンなのでは? と思われるかもしれない。しかし、この製品の場合フレームとバレルは樹脂製ながら、バレル、シリンダーが貫通している上に、ハンマーがシリンダー内に装填されたカートリッジの後端部分を叩いて弾を発射するという実銃同様の構造(発射方式)となっている。実は、この構造はかなり危うい。
 以前に「蓄圧式カートリッジ」という機構が問題となったこともあった。これは、実銃の弾薬のような形状のカートリッジにガスを充填し、ハンマーでカートリッジに設けられたバルブを叩くことで開放し、先端に装填された弾丸を発射するという構造で、こちらも実銃とほぼ同様の構造で真正銃とみなされ、回収となった経緯がある。
 このような構造のトイガンは、実弾を装填して発射できるようにする改造が比較的容易で、日本の警察は常に目を光らせている。そして、違法性が指摘された製品については、警察庁科学捜査研究所(科捜研)が改造によって実弾が発射できるかどうか実験を行なう。たとえそれが1発撃ったら壊れてしまうようなものであったとしても、発射できさえすれば真正銃とみなされてしまうのである。

 

作動のプロセス。トリガーを引くとハンマーが起きる


 

 

トリガーを引ききるとシアが開放され、スプリングの力でハンマーがファイアリングピンを叩き、カートリッジ後部に伝達。カートリッジ内で圧縮されていたスプリングが開放され、プラ製の弾頭が発射される

 

購入する前に気を付けたい


 ネットショップは利便性が極めて高く、国内外の多種多様な商品を家に居ながらにして入手できるのが魅力だ。しかし、中には日本の法規・法令をよく理解していないと思われる業者が、こうした製品を販売しているようだ。たとえ海外では問題なく流通している製品といえども、日本の法律に適合しているとは限らない。そして、購入してしまった後でそれらの製品が銃刀法違反であると認定されると、すぐに最寄りの警察署に提出しなければならず、これに従わずに持ち続けていると、拳銃不法所持で逮捕される可能性だってあるのだ。
 トイガンはおもちゃとはいえ銃刀法に準じたものでなくてはならず、販売する側が日本の銃刀法の法規・法令を遵守すべきなのはもちろんだ。しかし、このような現状がある中では、ユーザー自身もこうした法規・法令・事件例があることを知り、銃刀法に抵触している、また銃刀法に抵触しそうな商品を購入しないという自己防衛の意識を持つということも必要となってくる。
 もし、購入した後にそれらが銃刀法違反であると認定され、逮捕されてしまった場合「そんな法律があることは知らなかった」という言い訳は通用しないのである。

 

問題のない製品を、安心して買い物できるショップで購入しよう


 このような悲劇を回避するためには、どうしたらいいのだろうか。わかりやすいのは、国内トイガンメーカー各社で構成される業界団体(ASGK=日本遊戯銃協同組合など)に加盟しているメーカーの製品は安心だということだ。こうした業界団体は銃刀法だけではなく武器等製造法も遵守し、さらに厳しい自主規約(威力・材質・強度・構造など)を設けている団体もあり、常に当局(経済産業省等)と連携し認められた製品のみが製造されているからである。もちろん、こうした製品であればネットショップ上で購入しても問題はない。なお、ネットオークションにトイガンを出品する場合、こうした業界団体の製品であることを示すシールが貼られていない場合は出品できないというレギュレーションを設けているところもある。
 また、海外製品であっても、日本国内に拠点を置きアフターサービスの窓口を持っているショップや代理店であれば、安心して買い物できるだろう。

 

なお、2022年9月14日現在、詳しい公式発表はまだなされていないが、懸念されていた製品「SKY MARSHAL」について警察庁は全国の警察に回収を通達しているようだ。これについては、各都道府県警察が直接、購入者に連絡を取り回収を行なっていると、購入者によりSNS上で続々と報告がなされている。今後公式な発表がされた場合には、Arms MAGAZINE WEB上にて再度告知する予定だ

 

まとめ


 ネットショップ上でちょっと面白そうなトイガン製品を見つけたとしても、上記のことを思い出しながら、それが怪しげなメーカーのものではないか、また銃刀法に抵触していないか、構造に危険性はないのか、確認してから購入することを心がけたい。そして、末永く楽しいトイガンライフを満喫していただければ幸いである。

 

トイガンユーザーが知っておくべき銃刀法

 

第2条の1

この法律において「銃砲」とは、拳銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。)をいう。

 

第3条の2
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、拳銃の銃身、機関部体、回転弾倉又はスライド(以下「拳銃部品」という。)を所持してはならない。

 

第3条の3
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、実包のうち拳銃に使用することができるものとして内閣府令で定めるもの(以下「拳銃実包」という。)を所持してはならない。

 

第3条の4
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、拳銃、小銃、機関銃又は砲(以下「拳銃等」という。)を輸入してはならない。

 

第3条の7
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、拳銃等(第三条第一項第六号に規定する銃砲に該当するものを除く。以下この条及び第三条の十において同じ。)を譲り渡し、又は貸し付けてはならない。

 

第3条の10
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、拳銃等を譲り受け、又は借り受けてはならない。

 

監修:毛野ブースカ(本誌エグゼクティブエディター)、松尾哲司(月刊ガンプロフェッショナルズ副編集長)
イラスト:池上ヒロシ

 

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