【実銃】URG-Iの魅力を実銃から探る

 

実銃のURG-I

 

 URG-Iは、ライフルのモデル名ではなく、アメリカ陸軍特殊作戦コマンド U S A S O C が2018年に独自に採用したM4カービンのアップグレードパーツ(アッパーレシーバーアッセンブリー)だ。今回は筆者の友人がインストラクターを務めるPD(ポリスデパートメント)にGeisseleからテスト用に送られてきた14.5インチ実銃レポートを公開する。

 

時代の転機

 

 2022年4月、ショッキングなニュースがガン業界を駆け抜けた。アメリカ陸軍がSIG SAUER製XM5ライフルと6.8mmx51弾を制式採用するとアナウンスしたのだ。
 現時点の発表では「CQC(近接戦闘)にかかわる兵士に、現行のM4/M4A1の替わりに支給する」というもので、SIGとは10年契約を結び、最大で25万挺の供給を見込んでいる。XM5の納入は2023年後半に始まり、まずはCQCにかかわる部隊や特殊部隊用に約12万挺を供給するという。
 ただし、アメリカ軍における将兵の数は、陸海空を合わせると130万人以上にも上るため、現時点では海・空軍においては供給量の少ないXM5ライフルをどのような方針で配備していくのか動向は明らかになっていない。ゆえに1987年から連綿と続いてきたM4シリーズの運用は、今後もしばらく継続することは間違いないだろう。

 ここで俄然注目を集めるのが、M4のアップグレードバージョンともいえるURG-I(アッパーレシーバーグループ・インプルーブド)の存在だ。

 

 

URG-I 14.5 インチ
Upper Receiver Group-Improved 14.5 inch

 

 URG-Iは遡ること4年前、2018年に陸軍のUSASOCが独自に制式採用したもので、ライフルのモデル名ではなく、ボルトグループを含むM4のアッパーレシーバーアッセンブリーの名称である。要は、使い慣れた現用のロアレシーバーに載せ替えるだけで、消耗部品がリフレッシュされ、より優れた機能、性能を持つライフルに生まれ変わってしまうという、画期的なシステムなのだ。

 採用当初はUSASOC隷下の部隊である1st SFG(グリーンベレー)や75th Ranger Regiment(レンジャー)のメンバーが率先して使用していたが、その汎用性や必要充分の命中精度、堅牢性が認知されはじめると、海兵隊の特殊部隊や空軍のRescue Squadron(レスキュー隊)、LE(法執行機関)のスペシャルユニットでも使用されている記録が散見されるようになっていく。

 

SureFire製SOCOMサプレッサー。これまでフルオートを含め3万発は撃っているという

 

ウェポンライトはSureFireのスカウトでIRも照射できる

 

ミッドレングスのガスポートにロープロファイルガスブロック。ピン留めしてあるのでずれたりすることはない

 

Geissele製レールパネル。ワンタッチで取り外しができる

 

スコープマウントはその堅牢さで定評のあるGeissele製。テストで2,000発ほどクリーニングなしで撃っているので、ボルト周りは汚れまくっている

 

アッパーレシーバーはGeissele製だ。ミリタリーに納入される場合は普通の黒アッパーとなる。ロアレシーバーはジェイソンがSWAT出動時に使用する3ポジションM16A2だ

 

 ノーマルM4との大きな違いの1つは、バレルに開けられたガスポートの位置がミッドレングスになり、M4のカービンレングスと比べると2インチ(5.08cm)ほど前方に移動している点だ。
 この結果、ガスポートから噴き出すガスのプレッシャーが格段に抑えられ、ボルトの早期解除や後退速度の上昇を防ぐ効果がある。その結果として、よりソフトなリコイルをもたらし、さらには各部の消耗を抑えてくれるのだ。

 また、URG-Iはアメリカ軍が新たに採用したM855A1弾薬にも対応できるよう、ガスポート径を大きく拡張し、専用のバッファーやリコイルスプリングが付属するなど、サプレッサーの使用を前提としたチューンも施されている。

 

スコープの倍率を上げれば、一挙に中距離スナイパーになり得るポテンシャルを秘めている

 

 今回撮影することができたURG-Iは、筆者の友人がインストラクターを務めるPD(ポリスデパートメント)にGeisseleがテスト用として送ってきた個体である。
 よってアッパーレシーバー、バレル、ガスブロックといったパーツはすべてGeissele製に統一されていた。GeisseleにはSuper Dutyという自社製のパーツのみで組み上げたモデルがあり、LE(法執行機関)の間で高い評価を得ている。
 より詳しくレポートをご覧になりたい方は、月刊アームズマガジン2023年1月号をチェックしていただければ幸いだ。
 

Text & Photos:Hiro Soga

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年1月号 P.82~89をもとに再編集したものです。

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