2024/12/04
【KNIFE DIGEST WEB SPECIAL SIGHT】KIKU KNIVES 『FULL CONTACT ’25』限定発売いよいよ開始!!ーー書籍『刃物の街・関から世界へ ナイフ作家・松田菊男』刊行連動企画【その2:REPORT 完成までの道のり(前編)】
こんにちは。「編集者&ライターときどき作家」の服部夏生と申します。
肩書きそのままに、いろいろな仕事をさせていただいていますが、ホビージャパン社からは、主に刃物に関するムックや書籍を出させていただいております。
そんなご縁もあり「刃物専門編集者」として、アームズウェブであれこれ紹介させていただこうと思います。
名作のリファイン版モデル 『FULL CONTACT ’25』
前回、前々回ご紹介したように、KIKU KNIVESとホビージャパンとのコラボナイフ『FULL CONTACT ’25』のプロジェクトが始動した。
いよいよ、12月5日(木)に、一般販売が開始となる。
今回から、このプロジェクトのメイキング過程をご紹介していこうと思う。
書籍発行の連動企画として始動!!
今回のナイフ企画が始まったのは、書籍『刃物の街・関から世界へ ナイフ作家・松田菊男』を制作したことが大きなきっかけとなる。
そして、企画したのは、Asurah Knives の時と同じく、ホビージャパンのW編集長である。
「半生記を刊行するタイミングに合わせて、KIKU KNIVESの歴史をものがたるような限定モデルも発売しませんか?」
そんな申し出に、菊さんこと松田菊男さんは、快諾してくれた。
松田菊男×山下善啓で創作したデザイン
デザインが決まるまでの経緯について、書籍『刃物の街・関から世界へ ナイフ作家・松田菊男』から少々長めだが、引用させていただこう。
◆
少し前に、書籍の刊行に合わせて、限定のナイフをつくりませんか、というこちらのお願いに、おう、ええよ、と二つ返事で応じてくれていた。
(山下刃物店の)山下善啓も同席する場で、どんなモデルにするかという話になった。
「フルコンタクトの現代版はどうでしょう」
KIKU KNIVES(キクナイフ)が、大きく伸びるきっかけとなった大ヒット作のオリジナル版は廃番となっていた。当時から使う素材やエッチングの模様などが変わっていることもあり、そのままの形での復刻は難しいだろう。
ならば現代のキクナイフがつくる「フルコンタクト」があったら見てみたい。そんな思いから出た提案だったが、松田も山下もすぐに賛同してくれた。
「せっかくですから、やってみましょう」
彼らは、とにかくフットワークが軽い。山下が鉛筆と紙を取り出してラフ画を描きはじめた。採算度外視である。キクナイフのためだったら、という山下の心意気に恐縮しているうちに、たちまちシャープなシルエットが出来上がっていった。
「どうですかね、菊さん」
「もう少しハンドルがスリムな感じやな」
「ええと。じゃあ、こんな風にしてみますか」
「おう、よくなったな」
ふたりはテンポよくやり取りをしていく。
交わすやりとりはカジュアルな口調だが緊張感がある。だがお互いへの敬意があるから険悪さは一切ない。一流テニスプレーヤーのラリーをかぶりつきで観戦しているような心持ちでいると、これでいいでしょう、と大まかなラフが完成した。
「いいですねえ」
筆者に言えることは、本当にそれくらいしかないほど、必要な要素が詰め込まれてなおかつ新鮮さを感じさせるデザインが、ふたりの間で決まっていた。
◆
松田菊男さんと、彼が全幅の信頼を寄せる山下善啓さんとがタッグを組んでデザインしたのがヒット作「フルコンタクト」をモディファイした、今回の「FULL CONTACT ’25」である。
「フルコンタクト」がどのようにして完成したのか、そしてKIKU KNIVES にとってどれほど重要なモデルだったのか、はぜひ、書籍にて確認していただきたい。
松田菊男×山下善啓で創作したデザイン
それにしても、目の前で新しいモデルのデザイン画ができていく様子を見ることができたのは、実に幸運だった。
試作品完成の際のお話を次回はご紹介したいと思う。
KIKU KNIVES × HOBBY JAPAN『FULL CONTACT ’25』
【商品詳細】
全長:280mm
刃長:148mm
刃厚:約6.0mm
重量:約360g
ブレード材:OU-31
価格:¥80,000(税込)
専用シース付属
お求めは、こちらから。
https://hobbythepeople.shop/items/6731ce27e6c05c043606b610
*ナイフはルールを守って安全に使用しましょう。
TEXT:服部夏生
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